2010年7月31日

デュッセルドルフ日本商工会議所

ドイツにおける駐在員事務所開設手続について

第1版: 1995年2月 デュッセルドルフ日本商工会議所
改訂: 2001年6月 Japanische Industrie- und Handelskammer
  2003年5月 zu Düsseldorf e.V.
  2004年5月 Immermannstr. 45C, 40210 Düsseldorf
  2008年4月 Tel. (0211) 6 30 76-0, Fax (0211) 36 01 82
    e-mail : info@jihk.de, homepage: www.jihk.de

 

- 目次-

 

1. はじめに
2. 駐在員事務所の法的根拠
3. 日独租税条約における恒久的施設の概念
  1)恒久的施設の一般的定義
2)恒久的施設に含まれるもの
3)恒久的施設に含まれないもの
4. 営業届について
  1)必要書類
2)書類提出先
5. その他の手続
6. 便箋用紙等に印刷しておくべき事項
添付資料 1) デュッセルドルフ商工会議所管内の市役所営業届係リスト
2) 委任状の一例(独文)および和訳例
3) 営業届用紙サンプル

 

本資料はアーンスト・アンド・ヤング会計事務所の荒木和夫氏の御協力により作成したものです。同氏の御協力に対し会議所として深甚なる謝意を表します。

 

1.はじめに

日本の会社がドイツにおいていわゆる駐在員事務所(Repräsentanz)を開設する場合、商業登記(Handelsregister)も官公庁の許認可も不要であるが、駐在員事務所所在地の市役所営業届係(Gewerbemeldestelle) に対する営業届(Gewerbeanmeldung)が必要である(Gewerbeordnung 営業法第14条)。
金融機関(銀行、証券会社等)については、この他、銀行監督局(BAK)および連邦銀行に対する届出(Anzeige)が要求されている(Kreditwesengesetz 銀行法第53a 条)。

 

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2.駐在員事務所の法的根拠

駐在員事務所一般について、それを直接規定する法律はない。従って、通常、税務上の「恒久的施設」の概念を引用し、外国法人の出先であって、恒久的施設ではないものを駐在員事務所と称している。
そのため、ドイツ駐在員事務所の許容活動範囲については、日独租税条約第5条に規定されている「恒久的施設(Permanent Establishment / Betriebstätte)」の概念およびその範囲を参照する必要がある。

 

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3.日独租税条約における恒久的施設の概念

1)恒久的施設の一般的定義
日独租税条約上、「恒久的施設」とは、「事業を行なう一定の場所で、企業が その事業の全部又は一部を行なっているもの」と定義されている(第5条(1))。
2)恒久的施設に含まれるもの
日独租税条約上、「恒久的施設」とは、「事業を行なう一定の場所で、企業がその事業の全部又は一部を行なっているもの」と定義されている(第5条(1))。
  1. 管理所
  2. 支店
  3. 事務所
  4. 工場
  5. 作業場
  6. 鉱山、採石場その他天然資源を採取する場所
  7. 建物工事現場または建設もしくは組立ての工事で、12 箇月をこえる期間存続するもの
3)恒久的施設に含まれないもの
他方、次のような行為については恒久的施設の範囲に含まれないとされている(第5条(3))
  1. 企業に属する物品または商品をもっぱら保管し、展示し、または引き渡すため、施設を使用すること。
  2. 企業に属する物品または商品の在庫を、もっぱら保管し、展示し、または引き渡すため、保有すること。
  3. 企業に属する物品または商品の在庫を、もっぱら他の企業による加工のため、保有すること。
  4. 企業のためにもっぱら物品もしくは商品を購入し、または情報を収集するため、事業を行なう一定の場所を保有すること。
  5. 企業のためにもっぱら広告、情報の提供、科学的調査またはこれらに類する準備的もしくは補助的な性質の活動を行なうため、事業を行なう一定の場所を保有すること。

 

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4.営業届について

従来から駐在員事務所の活動はドイツ営業法(Gewerbeordnung)第14条の定める「営業」活動に該当しないため、営業届を提出する義務はないとされてきたが、他の法令に駐在員事務所の登録等に関するする規定(税務署への届出については下記5.1)を参照)がなく、商業登記簿等その存在を示すドイツでの公的証明が他にないことから、駐在員事務所名義での自動車登録や銀行口座開設、さらには日本人駐在員の滞在許可申請・更新等などの際に、当該事務所の存在を証明するために市役所の発行する営業届受理証(の写し)が有益である。

1)必要書類
  1. 営業届用紙(Gewerbeanmeldungsformular)

    市の所定様式用紙に記入することになっているので、予め入手しておく必要がある(添付資料3)参照、
    link www.duesseldorf.de/ordnungsamt/gewerbe/gewmeld.shtml
  2. 委任状(Vollmacht)

    駐在員事務所長に対し、事務所開設手続等の権限を付与することを明記した書類である(添付資料2)参照)。本社の英文レターヘッドを使用し、ドイツ語で作成することが望ましい。署名は、後述する登記簿謄本に記載されている取締役のうちの1名が行なう。公証人等による署名の認証は不要である。
  3. 駐在員事務所長の旅券(Reisepaß)及び
    住民登録票の控え(Anmeldebestätigung)


    所長は、正規の滞在許可を取得し、ドイツで住民登録をしていることが必要である。
    所長は労働許可(Arbeitserlaubnis)の取得を免除されているので、滞在許可証にもその旨が明記されていなければならない。具体的には、
    "Nur gültig für die Tätigkeit als Leiter des Repräsentanzbüros der Fa. xxx Co.,Ltd. in Düsseldorf".
    とか、
    "Selbstständige Erwerbstätigkeit oder vergleichbare unselbständige Erwerbstätigkeit nicht gestattet, mit Ausnahme der Gründung und Leitung eines Repräsentanzbüros der Fa. xxx Co.,Ltd. in Düsseldorf" のように、特定の会社の駐在員事務所長としての滞在許可であることが明確でなければならない。この点に関し、最近、営業届の際にしばしば問題となっているので注意を要する。従って、滞在許可申請時に提出する申請理由書には、駐在員事務所の代表者(英語の場合にはhead とかchief にする。manager は不可)となることを明記すべきである。
  4. 日本の本社の商業登記簿謄本(Handelsregisterauszug)と
    そのドイツ語訳(beglaubigte deutsche Übersetzung)


    登記簿謄本(明確な規定はないが、営業届提出前3ヶ月以内に発行されたものが望ましい)については、通常翻訳証明がついた独訳を添付することが求められている。商号は、英文レターヘッドに記載の社名と一致させておかなければならない。委任状に署名した取締役の氏名のローマ字綴りも一致させておくこと。
  5. 事務所賃貸借契約書(Mietvertrag)または
    それに代わる賃貸人の証明書(Bescheinigung)


    駐在員事務所でその物件を使用することが明記されていればよい。コピーでよい。
2)書類提出先
市町村によっては書類の郵送ではなく、必要書類一式を持参した上出頭することを求められる。外国人の場合は旅券の提示を求められることがある。書類が整っていればその場で受理される。市町村によって異なる数十ユーロの手数料の支払いが必要である。受領とともに交付される受理証はその後社有車の登録などの際にコピーを要求される場合があるので、大切に保管すること。

 

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5.その他の手続

営業届が完了した後、通常、次の届出が必要となる。

1) 税務署(Finanzamt):売上税(付加価値税)と給与所得税の納税者番号(Steuernummer)を取得するための届出。
2) 労働局(Arbeitsamt):事業所番号(Betriebsnummer)の取得申請。外国人(日本人駐在員を含む)を雇用する場合には、労働許可の申請も行う。
3) AOK:社会保険(年金・失業保険)加入申請(「適用証明書」がある限り日本人駐在員は不要)。
4) 健康保険組合(Krankenkasse):健康保険加入申請(加入義務者および希望者のみ)。
5) 職業組合(Berufsgenossenschaft):現地採用者の労災保険加入申請。

以上の手続きは、総て会計事務所が代行できる。

 

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6.便箋用紙等に印刷しておくべき事項

駐在員事務所が特定の名宛人に対して出す総ての業務文書(Geschäftsbriefe)には、その日本の本社に関して次の事項を記載しなければならない(営業法第15b 条(2))。

1) 日本の法人である旨(例えば、AG japanischen Rechts)
2) 定款上の住所(本店が所在する国および市町村。例えば、Sitz : Tokyo/Japan)
3) 代表者の氏名(社長のフルネーム。例えば、Präsident : Taro YAMADA)

予めレターヘッド、Fax 用紙等の下端に印刷しておくことが勧められる。

 

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添付資料 1)

デュッセルドルフ商工会議所管内の市役所営業届係リスト

Gewerbemeldestellen im Kammerbezirk :

Ordnungsamt der Stadt Düsseldorf
Gewerbemeldestelle, Zimmer 115-118
Heinrich-Ehrhardt-Str. 61
40468 Düsseldorf
Tel. (02 11) 8 99-37 12
Stadtverwaltung Erkrath
Ordnungsamt
Bahnstr. 16
40699 Erkrath
Tel. (02 11) 2 40 70
Stadtverwaltung Haan
Ordnungsamt
Kaiserstr. 85
42781 Haan 
Tel. (0 21 29) 9 11-167
Stadtverwaltung Heiligenhaus
Ordnungsamt
Hauptstr. 157
42579 Heiligenhaus
Tel. (0 20 56) 1 31
Stadtverwaltung Hilden
Ordnungsamt
Am Rathaus 1 
40721 Hilden
Tel. (0 21 03) 7 23 23
Stadtverwaltung Langenfeld
Ordnungsamt
Konrad-Adenauer-Platz 1
40764 Langenfeld
Tel. (0 21 73) 79 40
Stadtverwaltung Mettmann
Ordnungsamt
Neanderstr. 85
40822 Mettmann
Tel. (0 21 04) 9 80-201
Stadtverwaltung Monheim 
Ordnungsamt
Rathausplatz 2
40789 Monheim
Tel. (0 21 73) 59 70
Stadtverwaltung Ratingen 
Ordnungsamt
Minoritenstr. 4 
40878 Ratingen
Tel. (0 21 02) 98-22 70
Stadtverwaltung Velbert
Ordnungsamt
Thomasstr. 1a
42551 Velbert
Tel. (0 20 51) 26-0
Stadtverwaltung Wülfrath
Ordnungsamt
Goethestr. 21
42489 Wülfrath
Tel. (0 20 58) 1 80
 

 

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添付資料 2)

(委任状の一例)

-本社英文レターヘッド-

Vollmachterklärung

Sehr geehrte Damen und Herren !

Hiermit bestätige ich, der Unterzeichnende, in meiner Eigenschaft als Mitglied des Vorstandes der Firma ______________________ Co., Ltd. mit Sitz in ______________________ / Japan,

dass

Herr ______________________, geboren am ______________________,
wohnhaft in ______________________

zum Leiter des in ___________________________ neu zu gründenden Repräsentanzbüros ernannt und berechtigt ist, alle Handlungen und Maßnahmen vorzunehmen, die zur Gründung, Aufrechterhaltung und Auflösung unseres Repräsentanzbüros erforderlich sind und für das Unternehmen Zustellungen entgegenzunehmen.

Hochachtungsvoll

(Ort), den (Datum)

___________________________ Mitglied des Vorstandes

___________________ Co.,Ltd.

 

 

(和訳)

委任状

下に署名の私は、日本国に____________________住所を置く____________________株式会社の取締役として、

____________________氏   生年月日
住所

を、____________________に新たに設置する駐在員事務所の所長に任命し、同事務所の設立、維持及び閉鎖に必要なあらゆる手続を行い、会社のために書類を受領する権限を有することを証明します。

場所、日付

____________________株式会社

取締役

 

 

 

 

 

添付資料 3)

営業届用紙サンプル

pdf PDF形式:556KB

 

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